第4章 政府の自動車損害賠償保障事業(第71条―第82条の2)/自動車損害賠償保障法


(昭和三十年七月二十九日法律第97号)

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最終改正:平成一四年一二月一八日法律第183号


   第4章 政府の自動車損害賠償保障事業

(自動車損害賠償保障事業)
第71条  政府は、この法律の規定により、自動車損害賠償保障事業を行う。

(業務)
第72条  政府は、自動車の運行によつて生命又は身体を害された者がある場合において、その自動車の保有者が明らかでないため被害者が第3条の規定による損害賠償の請求をすることができないときは、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。責任保険の被保険者及び責任共済の被共済者以外の者が、第3条の規定によつて損害賠償の責に任ずる場合(その責任が第10条に規定する自動車の運行によつて生ずる場合を除く。)も、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。
 政府は、第16条第4項又は第17条第4項(これらの規定を第23条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定による請求により、これらの規定による補償を行う。
 前2項の請求の手続は、国土交通省令で定める。

(他の法令による給付との調整等)
第73条  被害者が、健康保険法(大正十一年法律第70号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第50号)その他政令で定める法令に基づいて前条第1項の規定による損害のてん補に相当する給付を受けるべき場合には、政府は、その給付に相当する金額の限度において、同項の規定による損害のてん補をしない。
 前条第1項後段の場合において、被害者が第3条の規定による損害賠償の責に任ずる者から損害の賠償を受けたときは、政府は、その金額の限度において、前条第1項後段の規定による損害のてん補をしない。

(差押の禁止)
第74条  第72条第1項の規定による請求権は、差し押えることができない。

(時効)
第75条  第16条第4項若しくは第17条第4項(これらの規定を第23条の3第1項において準用する場合を含む。)又は第72条第1項の規定による請求権は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。

(代位等)
第76条  政府は、第72条第1項の規定による損害のてん補をしたときは、その支払金額の限度において、被害者が損害賠償の責任を有する者に対して有する権利を取得する。
 政府は、保険契約者若しくは被保険者又は共済契約者若しくは被共済者の悪意によつて損害が生じた場合において、保険会社又は組合が第16条第1項(第23条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定により被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、その支払金額の限度において、被害者が保険契約者若しくは被保険者又は共済契約者若しくは被共済者に対して有する権利を取得する。
 政府は、保有者の損害賠償の責任が発生しなかつた場合において、保険会社又は組合が第17条第1項(第23条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定により被害者に対して仮渡金の支払をしたときは、被害者に対してその返還を請求することができる。

(業務の委託)
第77条  政府は、政令で定めるところにより、第72条第1項の規定による業務の一部を保険会社又は組合に委託することができる。
 組合は、次の各号に掲げる規定にかかわらず、前項の規定により委託された業務を行うことができる。
 農業協同組合法第10条
 消費生活協同組合法第10条
 中小企業等協同組合法第9条の2又は第9条の9
 国土交通大臣は、第1項の規定による委託をしたときは、委託を受けた保険会社又は組合の名称その他国土交通省令で定める事項を告示しなければならない。

(自動車損害賠償保障事業賦課金)
第78条  保険会社、組合及び第10条に規定する自動車のうち政令で定めるものを運行の用に供する者は、国土交通省令で定めるところにより、政令で定める金額を、自動車損害賠償保障事業賦課金として政府に納付しなければならない。

(過怠金)
第79条  政府は、第72条第1項後段の規定による損害のてん補をしたときは、損害賠償の責に任ずる者に対して、政令で定める金額を過怠金として徴収することができる。

(徴収金の滞納処分)
第80条  第78条の自動車損害賠償保障事業賦課金又は前条の過怠金を納付しない者があるときは、国土交通大臣は、期限を定めて督促をする。
 国土交通大臣は、前項の規定による督促をするときは、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により定めるべき期限は、これを発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
 第1項の規定による督促は、民法第153条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。
 国土交通大臣は、第1項の規定による督促を受けた者が、同項の期限までに自動車損害賠償保障事業賦課金又は過怠金を納付しないときは、国税滞納処分の例によつて、これを処分する。

(先取特権の順位)
第81条  第78条の自動車損害賠償保障事業賦課金及び第79条の過怠金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐ。

(自動車損害賠償保障事業に関する費用の繰入)
第82条  政府は、第10条に規定する自動車(第78条の政令で定めるもの及び道路以外の場所のみにおいて運行の用に供するものを除く。)について、第78条の自動車損害賠償保障事業賦課金に相当する金額を、毎会計年度、予算で定めるところにより、国の他の会計から自動車損害賠償保障事業特別会計に繰り入れるものとする。
 政府は、この法律に規定する自動車損害賠償保障事業の業務の執行に要する経費の一部を、毎会計年度、予算で定めるところにより、一般会計から自動車損害賠償責任再保険特別会計に繰り入れるものとする。

(報告及び立入検査)
第82条の2  国土交通大臣は、第78条の規定の施行に必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、保険会社若しくは組合に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、保険会社若しくは組合の営業所、事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
 第23条の2第2項及び第3項の規定は、前項の規定による立入検査又は質問について準用する。

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