第2章 鉄道事業(第3条―第31条)/鉄道事業法


(昭和六十一年十二月四日法律第92号)

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最終改正:平成一五年七月三〇日法律第132号


   第2章 鉄道事業

(許可)
第3条  鉄道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
 鉄道事業の許可は、路線及び鉄道事業の種別(前条第1項の鉄道事業の種別をいう。以下同じ。)について行う。
 第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業の許可は、業務の範囲を旅客運送又は貨物運送に限定して行うことができる。
 一時的な需要のための鉄道事業の許可は、期間を限定して行うことができる。

(許可申請)
第4条  鉄道事業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 予定する路線
 経営しようとする鉄道事業の種別
 業務の範囲を旅客運送又は貨物運送に限定して許可を受けようとする場合には、その旨
 期間を限定して許可を受けようとする場合には、その期間
 鉄道事業の種別ごとに、国土交通省令で定める鉄道の種類、施設の概要、計画供給輸送力その他の国土交通省令で定める事業の基本となる事項に関する計画(以下「事業基本計画」という。)
 その事業の開始のための工事の要否
 第一種鉄道事業を経営しようとする場合であつて、鉄道線路の譲渡を受け、又は鉄道線路を使用させるときは、その旨並びにその相手方の氏名又は名称及び住所
 第二種鉄道事業を経営しようとする場合には、鉄道線路の使用を許諾する者の氏名又は名称及び住所
 第三種鉄道事業を経営しようとする場合には、鉄道線路を譲渡するか又は使用させるかの別並びにその相手方の氏名又は名称及び住所
 前項の申請書には、事業収支見積書その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。
 国土交通大臣は、申請者に対し、前2項に定めるもののほか、商業登記簿の謄本その他必要な書類の提出を求めることができる。

(許可基準)
第5条  国土交通大臣は、鉄道事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
 その事業の計画が経営上適切なものであること。
 その事業の計画が輸送の安全上適切なものであること。
 前2号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
 その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
 国土交通大臣は、鉄道事業の許可を受けようとする者の申請により、特定の目的を有する旅客の運送を行うものとして国土交通省令で定める要件に該当すると認める鉄道事業について、その許可をしようとするときは、前項の規定にかかわらず、同項第2号及び第4号の基準に適合するかどうかを審査して、これをすることができる。
 国土交通大臣は、第三種鉄道事業の許可をしようとするときは、当該事業により敷設される鉄道線路に係る第一種鉄道事業又は第二種鉄道事業の許可と同時にするものとする。

(欠格事由)
第6条  国土交通大臣は、鉄道事業の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その許可をしてはならない。
 一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
 鉄道事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者
 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前3号のいずれかに該当するもの
 法人であつて、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)のうちに第1号から第3号までのいずれかに該当する者のあるもの

(事業基本計画等の変更)
第7条  鉄道事業の許可を受けた者(以下「鉄道事業者」という。)は、事業基本計画又は第4条第1項第8号若しくは第10号に掲げる事項を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
 第5条第1項の規定は、前項の認可について準用する。
 鉄道事業者は、第1項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をし、又は第4条第1項第9号に掲げる事項の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

(工事の施行の認可)
第8条  鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、鉄道線路、停車場その他の国土交通省令で定める鉄道事業の用に供する施設(以下「鉄道施設」という。)について工事計画を定め、許可の際国土交通大臣の指定する期限までに、工事の施行の認可を申請しなければならない。ただし、工事を必要としない鉄道施設については、この限りでない。
 国土交通大臣は、工事計画が事業基本計画及び鉄道営業法(明治三十三年法律第65号)第1条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、前項の認可をしなければならない。
 国土交通大臣は、鉄道事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第1項の期限を延長することができる。

(工事計画の変更)
第9条  鉄道事業者は、工事計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
 前条第2項の規定は、前項の認可について準用する。
 鉄道事業者は、第1項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

(工事の完成検査)
第10条  鉄道事業者は、工事の施行の認可の際国土交通大臣の指定する工事の完成の期限までに、鉄道施設の工事を完成し、かつ、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣の検査を申請しなければならない。
 国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該鉄道施設が、工事計画に合致し、かつ、鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。
 第8条第3項の規定は、工事の完成の期限について準用する。

(鉄道施設の検査)
第11条  鉄道事業者は、工事を必要としない鉄道施設について、許可の際国土交通大臣の指定する期限までに、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の検査を申請しなければならない。ただし、現に鉄道事業の用に供されている鉄道施設については、この限りでない。
 国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該鉄道施設が鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。

(鉄道施設の変更)
第12条  鉄道事業者は、第10条第1項又は前条第1項の検査に合格した後において鉄道施設を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより当該変更に係る工事計画を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
 鉄道事業者は、前項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 鉄道事業者は、第1項の認可を受けた鉄道施設の変更のうち国土交通省令で定めるものに係る工事を完成したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の検査を申請しなければならない。
 第8条第2項の規定は第1項の認可について、第9条の規定は同項の工事計画の変更について、第10条第2項の規定は前項の検査について準用する。

(車両の確認)
第13条  鉄道運送事業者(第一種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第一種鉄道事業者」という。)及び第二種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第二種鉄道事業者」という。)をいう。以下同じ。)は、車両を当該鉄道事業の用に供しようとするときは、その車両が鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合することについて、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の確認を受けなければならない。
 鉄道運送事業者は、前項の確認を受けた車両について、その構造又は装置を変更してこれを当該鉄道事業の用に供しようとするときは、同項の規定の例により、国土交通大臣の確認を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更をしてこれを当該鉄道事業の用に供しようとするときは、この限りでない。
 鉄道運送事業者は、前項ただし書の場合には、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

(認定鉄道事業者等)
第14条  国土交通大臣は、鉄道事業者の申請により、鉄道施設又は車両の設計に関する業務を一体的かつ有機的に実施する事務所ごとに、当該業務の能力が国土交通省令で定める基準に適合することについて、認定を行う。
 その設置する事務所について前項の認定を受けた鉄道事業者(次項において「認定鉄道事業者」という。)は、第8条第1項、第9条第1項若しくは第3項(これらの規定を第12条第4項において準用する場合を含む。)、第12条第1項若しくは第2項又は前条の規定に基づく認可若しくは確認の申請又は届出に際し、国土交通省令で定めるところにより、その設置する事務所であつて前項の認定を受けたものが鉄道施設又は車両を設計し、かつ、鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合することを確認した場合には、これらの規定にかかわらず、これらの申請又は届出に係る記載事項又は添付書類の一部を省略する手続その他の国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
 認定鉄道事業者であつて従たる事務所について認定を受けたものは、従たる事務所における鉄道施設又は車両の設計に関する業務を適確に実施するために必要な措置として国土交通省令で定めるものを講じなければならない。
 国土交通大臣は、第1項の認定を受けた事務所が同項の国土交通省令で定める基準に適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
 鉄道事業者は、第8条第1項、第9条第1項若しくは第3項(これらの規定を第12条第4項において準用する場合を含む。)又は第12条第1項若しくは第2項の規定に基づく認可の申請又は届出に際し、当該鉄道施設が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行つた設計(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が十分な能力を有するものとして国土交通省令で定める範囲内のものに限る。)に係るものである場合には、これらの規定にかかわらず、これらの申請又は届出に係る記載事項又は添付書類の一部を省略する手続その他の国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
 第1項から第4項までに定めるもののほか、認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(鉄道線路の使用等)
第15条  第一種鉄道事業者及び第三種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第三種鉄道事業者」という。)は、許可を受けた路線に係る鉄道線路を第二種鉄道事業者に使用させようとするときは、使用料その他の国土交通省令で定める使用条件について、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 第三種鉄道事業者は、許可を受けた路線に係る鉄道線路を第一種鉄道事業者に譲渡しようとするときは、譲渡価格その他の国土交通省令で定める譲渡条件について、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 国土交通大臣は、前2項に規定する使用条件又は譲渡条件が、鉄道事業の適正な運営の確保に支障を及ぼすおそれがあると認める場合を除き、前2項の認可をしなければならない。

(旅客の運賃及び料金)
第16条  鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
 鉄道運送事業者は、第1項の認可を受けた旅客運賃等の上限の範囲内で旅客運賃等を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 鉄道運送事業者は、特別車両料金その他の客車の特別な設備の利用についての料金その他の国土交通省令で定める旅客の料金を定めるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 国土交通大臣は、第3項の旅客運賃等又は前項の旅客の料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該鉄道運送事業者に対し、期限を定めてその旅客運賃等又は旅客の料金を変更すべきことを命ずることができる。
 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。

(運行計画)
第17条  鉄道運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、列車の運行計画を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(運輸に関する協定)
第18条  鉄道運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸若しくは直通運輸又は運賃に関する協定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(事故等の報告)
第19条  鉄道事業者は、列車の衝突若しくは火災その他の列車若しくは車両の運転中における事故、鉄道による輸送に障害を生じた事態、鉄道に係る電気事故又は鉄道に係る災害であつて国土交通省令で定めるものが発生したときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

第19条の2  鉄道事業者は、前条に定めるもののほか、同条の国土交通省令で定める列車又は車両の運転中における事故が発生するおそれがあると認められる国土交通省令で定める事態が発生したと認めたときは、遅滞なく、事態の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

(会計)
第20条  鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する諸表の様式を定め、その会計を整理しなければならない。
 鉄道事業者は、鉄道に係る災害による損失又は鉄道事業の一部の廃止により生じた損失若しくは鉄道事業の用に供する施設(車両を含む。以下「鉄道事業用施設」という。)の除却に要する費用が多額であつてその全額をこれらの事由の生じた事業年度において負担することが困難な場合には、当該損失及び費用に相当する額を、国土交通大臣の許可を受けて、当該事業年度の決算期において、貸借対照表の資産の部に計上し、繰延資産として整理することができる。この場合には、当該決算期から五年以内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。
 前項の規定により鉄道事業者が同項の損失及び費用に相当する額を貸借対照表の資産の部に計上した場合における商法(明治三十二年法律第48号)第290条第1項及び第293条ノ五第3項の規定の適用については、同法第290条第1項中「左ノ金額」とあるのは「左ノ金額及鉄道事業法第20条第2項ノ規定ニ依リ貸借対照表ノ資産ノ部ニ計上シタル金額ノ合計額」と、同法第293条ノ五第3項中「第1号乃至第4号ノ金額」とあるのは「第1号乃至第4号ノ金額及鉄道事業法第20条第2項ノ規定ニ依リ貸借対照表ノ資産ノ部ニ計上シタル金額ノ合計額」とする。

(鉄道事業用施設に関する担保の特例)
第21条  鉄道事業者は、鉄道事業用施設を担保に供しようとするときは、鉄道抵当法(明治三十八年法律第53号)の定めるところによらなければならない。

(土地の立入り及び使用)
第22条  鉄道事業者は、鉄道施設に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、国土交通大臣の許可を受け、他人の土地に立ち入り、又はその土地を一時材料置場として使用することができる。
 鉄道事業者は、前項の規定により立ち入り、又は使用しようとするときは、やむを得ない理由がある場合を除き、土地の占有者にその旨を通知しなければならない。
 鉄道事業者は、第1項の規定による立入り又は使用によつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。
 前項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。
 第3項の規定による損失の補償については、当事者間の協議により定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、都道府県知事の裁定を申請することができる。
 都道府県知事は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。
 都道府県知事は、第5項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
 損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。
 第5項の裁定のうち補償金の額について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から三月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
10  前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。
11  第5項の裁定についての異議申立てにおいては、補償金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。

(乗継円滑化措置等)
第22条の2  鉄道事業者は、利用者の利便の増進を図るため、他の運送事業者その他の関係者と相互に協力して、連絡運輸、直通運輸その他の他の運送事業者の運送との間の旅客の乗継ぎ又は貨物の引継ぎを円滑に行うための国土交通省令で定める措置を講ずるよう努めなければならない。
 鉄道事業者が他の鉄道事業者に対し旅客の乗継ぎに係る前項の措置であつて鉄道施設の建設又は改良によるもの(以下「乗継円滑化措置」という。)に関する協議を求めたときは、当該他の鉄道事業者は、当該乗継円滑化措置により鉄道施設の有する機能に著しい支障を及ぼすおそれがあるときその他の国土交通省令で定める正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならない。
 国土交通大臣は、鉄道事業者間において、その一方が乗継円滑化措置に関する協議を求めたにもかかわらず他の一方が当該協議に応じず、又は当該協議が調わなかつた場合で、当該一方の鉄道事業者から申立てがあつたときは、前項に規定する正当な理由がある場合に該当すると認める場合を除き、他の一方の鉄道事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。
 前項の規定による命令があつた場合において、鉄道事業者間の乗継円滑化措置に関し、当事者が取得し、又は負担すべき金額その他の乗継円滑化措置に関する取決めの条件について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、国土交通大臣の裁定を申請することができる。
 前条第6項、第7項及び第9項から第11項までの規定は、前項の裁定について準用する。この場合において、同条第6項及び第7項中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣」と、同条第9項及び第11項中「補償金の額」とあるのは「当事者が取得し、又は負担すべき金額」と読み替えるものとする。

第22条の3  国土交通大臣は、鉄道事業者が鉄道線路又は停車場の建設又は改良を行おうとする場合において当該鉄道線路又は停車場の建設又は改良に関連する乗継円滑化措置を講ずることが経済的かつ合理的であるときその他利用者の利便の増進の程度、建設又は改良に要する費用等を考慮して特に必要があると認める場合には、鉄道事業者に対し、乗継円滑化措置を講ずべきことを勧告することができる。
 国土交通大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

(事業改善の命令)
第23条  国土交通大臣は、鉄道事業者の事業について利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、鉄道事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。
 旅客運賃等の上限若しくは旅客の料金(第16条第1項及び第4項に規定するものを除く。)又は貨物の運賃若しくは料金を変更すること。
 列車の運行計画を変更すること。
 鉄道施設に関する工事の実施方法、鉄道施設若しくは車両又は列車の運転に関し改善措置を講ずること。
 鉄道施設の使用若しくは譲渡に関する契約を締結し、又は使用条件若しくは譲渡条件を変更すること。
 他の運送事業者と連絡運輸若しくは直通運輸若しくは運賃に関する協定その他の運輸に関する協定を締結し、又はこれを変更すること。
 旅客又は貨物の安全かつ円滑な輸送を確保するための措置を講ずること。
 旅客又は貨物の運送に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
 前項の規定による命令(同項第4号及び第5号に係るものに限る。)があつた場合において、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額その他契約若しくは協定の細目について、当事者間の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、国土交通大臣の裁定を申請することができる。
 第22条第6項、第7項及び第9項から第11項までの規定は、前項の裁定について準用する。この場合において、同条第6項及び第7項中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣」と、同条第9項及び第11項中「補償金の額」とあるのは「当事者が取得し、又は負担すべき金額」と読み替えるものとする。

(名義の利用等の禁止)
第24条  鉄道事業者は、その名義を他人に鉄道事業のため利用させてはならない。
 鉄道事業者は、事業の貸渡その他いかなる方法をもつてするかを問わず、鉄道事業を他人にその名において経営させてはならない。

(列車の運行の管理等の受委託)
第25条  列車の運行の管理その他国土交通省令で定める鉄道事業に係る業務の管理の委託及び受託については、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
 国土交通大臣は、前項の許可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。
 その事業を継続して運営するために必要であること。
 受託者が当該業務の管理を行うのに適している者であること。

(事業の譲渡及び譲受等)
第26条  鉄道事業の譲渡及び譲受は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
 鉄道事業者たる法人の合併及び分割は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、鉄道事業者たる法人と鉄道事業を経営しない法人が合併する場合において鉄道事業者たる法人が存続するとき又は鉄道事業者たる法人が分割をする場合において、鉄道事業を承継させないときは、この限りでない。
 第5条第1項及び第6条の規定は、前2項の認可について準用する。
 鉄道事業者たる法人の合併又は分割があつたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により鉄道事業を承継した法人(以下この条において「合併法人等」という。)は、許可に基づく権利義務を承継する。
 鉄道事業の譲渡を受けた者又は合併法人等が同一の路線について第一種鉄道事業の許可及び第二種鉄道事業の許可を取得することとなつたときは、当該路線に係る第二種鉄道事業の許可は失効したものとみなす。
 鉄道事業の譲渡を受けた者又は合併法人等が同一の路線について第一種鉄道事業の許可及び第三種鉄道事業の許可を取得することとなつたときは、当該路線に係る第三種鉄道事業の許可は失効したものとみなす。
 鉄道事業の譲渡を受けた者又は合併法人等が同一の路線について第二種鉄道事業の許可及び第三種鉄道事業の許可を取得することとなつたときは、当該路線に係るこれらの許可は失効し、当該路線について第一種鉄道事業の許可を受けたものとみなす。

(相続)
第27条  鉄道事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該鉄道事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人の経営していた鉄道事業を引き続き経営しようとするときは、被相続人の死亡後六十日以内に、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
 相続人が前項の認可の申請をした場合には、被相続人の死亡の日からその認可があつた旨又は認可をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした鉄道事業の許可は、その相続人に対してしたものとみなす。
 第5条第1項及び第6条の規定は、第1項の認可について準用する。
 第1項の認可を受けた者は、被相続人に係る許可に基づく権利義務を承継する。
 前条第5項から第7項までの規定は、第1項の認可があつた場合について準用する。

(事業の休止)
第28条  鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を休止しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 前項の休止の期間は、一年を超えてはならない。

(事業の廃止)
第28条の2  鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするとき(当該廃止が貨物運送に係るものである場合を除く。)は、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
 国土交通大臣は、前項の規定による意見聴取の結果、第1項の届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行つたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めるときは、その旨を当該鉄道事業者に通知するものとする。
 鉄道事業者は、前項の通知を受けたときは、第1項の届出に係る廃止の日を繰り上げることができる。
 鉄道事業者は、前項の規定により廃止の日を繰り上げるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
 鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするとき(当該廃止が貨物運送に係るものである場合に限る。)は、廃止の日の六月前(利用者の利便を阻害しないと認められる国土交通省令で定める場合にあつては、廃止の日の三月前)までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

(法人の解散)
第29条  鉄道事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
 国土交通大臣は、当該法人の解散の決議又は総社員の同意によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き、前項の認可をしなければならない。

(事業の停止及び許可の取消し)
第30条  国土交通大臣は、鉄道事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めて事業の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。
 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。
 正当な理由がないのに許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。
 第6条各号(第2号を除く。)のいずれかに該当するに至つたとき。
 第8条第1項の規定による申請につき却下の処分を受けたとき。
 第一種鉄道事業者にあつては、当該鉄道事業に係る鉄道線路の譲受の相手方である第三種鉄道事業者について、当該鉄道線路に係る路線について許可の取消し又は事業の廃止があつたとき。
 第二種鉄道事業者にあつては、当該鉄道事業に係る鉄道線路の使用を許諾した者である第一種鉄道事業者又は第三種鉄道事業者について、当該鉄道線路に係る路線について許可の取消し又は事業の廃止があつたとき。
 第三種鉄道事業者にあつては、当該鉄道事業に係る鉄道線路の譲渡の相手方である第一種鉄道事業者について、又は当該鉄道線路を使用する第二種鉄道事業者のすべてについて、当該鉄道線路に係る路線について許可の取消し又は事業の廃止があつたとき。

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